アメリカ全土の新型コロナウイルスの感染者数が、きのうまでで、75万5000人を超え、国内の死者は4万人以上となりました。死者の数は、先週月曜からの1週間で、およそ2倍になっています。
感染の爆心地とされる、ニューヨーク州ですが、きのう一日の死者数が507人と、この1週間で最も少なくなりました。定例会見でクオモ知事は、コロナウイルス感染の入院患者の総数も減少し、良い方向に向かっていると述べました。
ニューヨーク州クオモ知事
「やっと一息という気持ちもあるが、しかしこのコロナという怪物はまだ生きている。また力を盛り返すのは間違いない」
ニューヨーク州では先週土曜日1日で、新たに1300人の患者が入院していますが、クオモ知事は、病院内での人工呼吸器の需要が落ち着いてきたとして、マサチューセッツ州に400台の人工呼吸器を送る意向を示しました。
各州でウイルス感染への様々な対策が取られていますが、ボストンでは、自宅での待機を呼びかけるため、拡声器をつけた車が市内を周り、市民への周知を行なっています。
一方、感染の未だ少ない、西部のコロラド州デンバーでは、緊急事態宣言による経済活動や市民生活の制限に対して、抗議デモが行われました。参加者は、コロナウイルスによる被害よりも、経済活動が止まり、市民生活の自由が阻害される事が深刻な問題だと訴えています。
抗議者
「コロナ感染が大勢を苦しめているのはわかるが、それ以上の人が他の病気で亡くなっている」
これらの訴えに対しトランプ大統領は一定の理解を示すツイートをしていて、各州の知事は「行動制限のガイドラインを出している政府のコロナ対策が正しく市民に伝わらない」と指摘しています。
新型コロナウイルスへの緊急事態宣言を出して既に1ヶ月以上経っていますが、行動制限の影響を受ける中小企業への救済措置の給与保護プログラム「ペイチェック・プロテクション・プログラム」は、その予算、3500億ドルが既に枯渇し、新規受付が停止しています。民主党のペロシ下院議長らは、ムニューシン財務長官との協議を続け、大規模な予算の追加と申請基準などの枠組みの見直しが急務とみています。